ラウンダバウト

英語を教えています。自分の授業改善のためだったり、好きなモノ、コトをつづっていきます

ペア・グループ学習の導入

目次

①目的は?

②ことはじめ

③その前後

④おわりに

 

①目的は?

 久しぶりの記事投稿です。今回はおそらく初めて?のホームルーム活動編なのですが、授業とも関連しています。英語の授業ではもはや常識?となりつつある、ペアワークやグループワークですが、私の勤める学校では「人と話す」ことに神経をすり減らす子も少なくないため、それ自体成立が難しいところもあります。ただ、それだと大多数の生徒にとっては進学や就職したときに困る子もいるのではないかなぁと思い、「誰かと一緒に作業ができる」というようになってほしくて、毎回ではありませんが取り入れています。これが目的の1つ目です。もう1つは「ペア・グループワークを通してお互いの色々なところを知り、よいところを知る」ことです。そういった体験を積み重ねていったら、安心して自分の色が出せるクラスになるのではないかと考えているからです。

 

②ことはじめ

 いきなりペアワークに踏み切るのもありかもしれませんが、私は過去にそれで失敗を重ねてきました。生徒たちがまったく動かないのです。私の焦りばかり募り、なんか微妙な空気になることもしばしば。なぜ上手くいかないかを考えたときに、生徒たちに「納得」してもらえるとよりスムーズに進めるようになるのではないかと思い、まずは上述の目的を語りかけるようになりました。ただ、それだけでは弱いので、俗に「コンセンサスゲーム」と呼ばれるものをクラスで行います(コンセンサスゲームについては神奈川県青少年指導者育成協議会のホームページや書籍『ワークシートでコミュニケーション教育』などをご参照ください)。もしできれば、ホームルームの時間で。その時間が確保できなければ英語の授業の初回か2回目くらいで。このコンセンサスゲームはどういうわけか多くのグループが成功します。そこで「一人で考えるよりも大勢の力を合わせた方が大きな結果を生み出せることがある」ということを体験してもらいます。歓声が起こることもありました。

 

③その前後

 コンセンサスゲームから割とスムーズにグループ活動に移行できることもありますが、そうもいかないこともあります。なので、ホームルーム活動などの時間も活用します。短い時間で「自然と物理的に距離が近くなる」「思わずやってみたくなる活動」を通してペアワークやグループワークに慣れさせていきます。個人的なオススメは「絵しりとり」と「サイゼリヤ」のホームページ〈https://www.saizeriya.co.jp/entertainment/index.html

〉からダウンロードできる「間違い探し」です。配る枚数は1枚。そうすると自然と距離が近くなります。そして、これらの活動を通して「〇〇さん、絵うまいね!」とか「◇◇くん、すげぇ!それ見つけられなかった」とお互いを知る、認め合う声かけが生まれたりしました。中には、けんかをしていたけど、他のメンバーに見えるように1枚の紙を一緒に持ち上げていた生徒たちもいました!

 また、英語の授業では1学級あたりの人数の少なさを活かして、グループで「プリントを仕上げる」ということを課すこともあります。誰かに答えを教えてもらってもOKです。しかし、ここでは終わりません。グループのメンバーはそれぞれ教師による質問に答えなければ課題達成とならないのです。ただし、回答者以外のメンバーはヒントを出すことができるシステムにしています。ここでジェスチャーで伝える子や文字でヒントを伝える子、絵にする子など、そのヒントの出し方は様々です。ですが、この「困ってもクラスメイトが助けてくれる」というのが安心感につながっていったらいいなと思っています。最後の子には難しい質問をしますが、周りの子はプリントや教科書などあらゆるものを使ってのヘルプが可能なので、苦手な子でもヒントが出せるかなと。ただ、やっぱりどうしても時間がかかってしまうのが課題ではあります。

 

④おわりに

 ご紹介したもの以外にも、4月の段階で色々な活動を行っていたりしますが、ペア・グループワークの導入時に最近私が行っていることです。導入のためにいろいろ細かく活動を考えたのは教員生活6年目の今年度が初めてなので、こういう活動を続けていった時にどうなるのかはわかりません。たぶん、活動自体のふりかえり(どういう聞き方や話し方がいいのかなど)も必要でしょう。なのでまた、今年度が終わるときに振り返りをしようと思っています。さて、どうなることやら?