ラウンダバウト

英語を教えています。自分の授業改善のためだったり、好きなモノ、コトをつづっていきます

リスニング基礎力をいかにつけるか②【「英語表現」の授業編】

 ということで(どういうことで?)、リスニングシリーズ第2弾。私がどのようにリスニングの指導をしているかを詳述しようと思います。まず、ECと英語表現で異なるので、今回は英語表現の方を書いていきます。その「導入編」です

 英語表現の授業ではいわゆる「リスニング用の副教材」を用いて、1時間まるまるリスニングの授業をします。現任校の初年度でこの形式?でやったときは生徒に驚かれましたが、今では生徒も慣れてくれています。

【リスニング指導に入る前】(高校1年生のリスニングの授業初回

 まず、フォニクスの基礎的な知識を確認します。それぞれのアルファベットがどういう音なのか、発音できるかを診ます。できてないようなら、まずまとめて教えてから、普段の授業でさらに個別の音をこまかく取り上げて練習していきます。ここは手島良先生の著書群を参考にしながら指導しています。

小・中学生に教えるなら、いや高校生に教えるうえでも、こちらは必読です。

 

【副教材を用いながらの指導】

 さて、個々の音(音素)をとりあげながら同時に進めていくことになりますが、まずいきなり問題を聞いて解かせることはしません。リスニングに苦手意識がある子もいる中で、それをしてもあまり生産性がないと思うからです。というか、苦手な生徒は「テストの時にリスニングは時間になったらで他の文法問題から解き始めてない?」みたいなことを聞きます。「『5分後です』とか書いてあるでしょ。その間にするといいことがあるんだけど聞きたい?」とふっかけます(笑)。その後の手順としては以下の通りです。

 

〈Pre-Listening〉

①「まずは質問文や選択肢からどんな話なのか予想してみよう。そもそも質問の意味は分かります?

 質問文の意味を確認したらー登場人物は複数?―どこでの会話だろうね?―どんな場面?ーなどなどを答えてもらいます。

②「その中で出てきそうな表現を英語にすると?」

 じゃあ、①で出てきたキーワードを英語にするとどんな表現になるかな。ペアでアイディアだしてみて!➡何ペアかに質問して板書

(③どんな風に読まれそう?同じ表現でも違う言い方知ってる?)

 これは慣れてきてから入れます。最初は「え!?さっき予想できてたやつはいっとるやん!なんで聞き取れなかったんかね?」に持っていきたいので。

 

〈While-Listening〉

①なるべく「内容語」を聞き取ろう(すべて聞き取ろうとしない)

 「ぜんぶ聞き取ろうとしてない?実は日本語だって全部正確に聞き取るって不可能に近いよ。ちょっとやってみようか。」➡教員が言ったこと(会話文)をできるだけ正確に再生させる ➡ あれ?日本語でも無理じゃね!? ➡ でも要旨は言えるでしょ?

➡ 「だよね。それって予測してるのもあるけれど、大きな内容を聞き取ってることが大きいんだよね。」 ➡ 英語における内容語の説明

②聞こえたきた内容語をメモさせる(カタカナでもよし)

 「後で話を思い出しやすいように、内容語をメモしよう」

③「もう1回きいてもらうので、迷ってる人はペアと何を迷ってるか、何を聞き取ればいいいかを明確にしよう。自信のある人は言われている根拠となる文を言えるように聞き取ってみて!」

 

〈Post-Listening〉

「では今から答えの発表です。~答え合わせ~」➡間違えた人が多かった問題を机間巡視で確認(教材によってはグーグル・フォームでその場で送ってもらうこともできますね)

「〇番の問題は苦戦してた人が多かったです。何でですかね?」➡「何て言ってるか分からなかった」「速すぎて分からない」など。➡「そうですよね。ではそれってどうすれば聞こえるようになると思いますか?アイディアを考えてください!」➡色々答えてもらう

教員「いま発表してくれたものの中に非常にいいものがあったので、体験してみましょう。まずは次の音声を聞いてください。」

【関西弁の日本語を聞いてもらう】

教員「ペアの一人は音声で何を言っていたか、もう一人に伝えてみて!(生徒は『何が始まったんだ?』感満載(笑)」

「じゃあ今「伝えられた人」は次の内容を伝え返してください。」

【茨城(沖縄)の方言の日本語を聞いてもらう】

生徒「言えない(笑)」

教員「言えないところあるよね。実は今のは茨城(沖縄)の方言です。なんで言えないんだろ?」

生徒「発音がかなり違う。」「そもそも単語が分からない」

  ➡関西弁は何で伝えられたのかも確認

教員「そうなんですよ!そもそも単語をしらないと聞き取れないし、知ってる単語でも発音のされ方を知っていなければ(自分で同じように言えないと)聞き取れないんですよ。じゃあどういうトレーニングをしたら聞き取れるようになりそうですか?」

生徒「単語と発音を覚えて言えるようにする

教員「その通りです!では先ほどのつまずきが多かったところの聞き取りポイントを確認し、自分でも読めるようにしてみましょう。」

~次回に続く(むしろここからが本当のリスニング指導のはじまり笑)~