ラウンダバウト

英語を教えています。自分の授業改善のためだったり、好きなモノ、コトをつづっていきます

リスニング基礎力をいかにつけるか③【「英語表現」の授業編その2】

 リスニング指導シリーズ第3弾。「聞き取れる(聞こえる)」ようにする指導というのは、私は音声指導と不可分だと考えているので、音声(音読)指導そのものがリスニング指導になるように意識しているつもりです。「(自分で同じように言えないと)聞き取れない」ということを体感(納得)してもらったら、同じように言えるようにするトレーニングに入ります。

⓪ターゲット文のディクテーション

 *使用教材のものでOK

①別記事の「リピート・アフター・ミー」

 ⓪でみななが共通して書きとれなかったところを見てから行います。

llindbergh.hatenablog.com

②リズム音読

 ①で個々の音やリンキング、脱落などの音声変化はおさえたうえで、英語のリズムで言えるようにするための音読です。ゆっくりだったり、英文の「一部」ならきちんと識別可能な発音で言えたとしても、「文」になると躓く生徒がでてきます。なので「内容語」を長くハッキリと、「機能語」は短く、いい加減に。教員の後に続いて読んでもらいます。たとえば "I went to the department store yesterday."という文があったら、"I WEnt to the dePARtment stORE YESterday." というように真似してもらいます。難しい場合は、内容語だけ言ってもらうところからスタートします。この時に手拍子(ペンで机をたたいてもらってもいいです)もしてもらいます。手拍子をしてもらうことで、次に叩くまでに機能語を言うのだということを確認します。そしてペア(奇数なら3人グループ)で手を一緒に叩きながら言えるようになったら立ってもらいます。一番遅いグループは僕と一緒に練習の成果を披露してもらうので、みんな一生懸命やってくれます(笑) 

*早く揃ったっペアは本当に言えているか確認しにいったり、次の文の読み方、リズムを予測して待っていてもらいます。

*「リズム音読」は普段の文法メインの授業で、中学校の復習の文と、高校の例文を覚えてもらう際にメインで使っているので、生徒はこの時点で慣れています。

 

③全体で音源に合わせてRead & Look Upからコピーイング

 ・言えるようにしたい英文を指定して、Read & Look Upをします

 ・音源に合わせて、全体でサイレント・コピーイングをします

  *発声しなくてよくするのは、音源が聞き取れるようにするためです

 ・数回行ったら、全体でコピーイングをします

  *この時にタイミングがずれる生徒が出るので、その原因を探りみんなで練習

 

④個人で音源に合わせて言えるように個人で練習

 各々のスマホに音源を入れてもらっているので、その音源と同じ発音、リズム、イントネーションで言えるようにコピーイングをしてもらいます。問題と解説はすでに行っているので、空読みにはならないように。この間、私は机間巡視をしながら、それぞれの生徒のつまずきに合わせて個別にアドバイスをします。自信がある人は先に⑤の練習まで進んでいいよ!の指示をします。ここまでをすべてのターゲット文で行います

 

⑤「Google翻訳の音声入力」か「Googleドキュメント」の音声入力機能で練習

  ➡ ペア(グループ)で対決

 座ってやってもらいます。上記のどちらかを使って、制限時間以内にどちらが多く機会に認識されるかを競います。ターン制でも同時スタートでもよいです。ちなみに、負けてしまったら立ってもらい、この後に私との公開トレーニング(ランダム指名)になります(;^_^A 

*できるようになったね!で終わってもらいたいから公開トレーニングをするよ!という説明はします。部活の技術指導のイメージです。

 機械(AI?)にそこまでのことができるのか?という不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、上の2つ、特に「Googleドキュメント」の音声入力は割とよい精度でこちら発音を識別してくれます日本語発音(不要な母音挿入やストレス間違い)だと、高確率で変な文になるので、ぜひお試しくださいはじめてやる時は教員がまずお手本を見せるのが生徒のやる気を引き出すポイントに感じています。なので、まず、日本語発音バージョンで認識されないよね?ってのを大画面で確認してもらいます!そこで今度は英語らしく読んで、ほら認識されるでしょ?って示すと「お~っ!」って反応があります(笑) 

 *ちなみに負けた人ばかりだと教育的によろしくないと思うので、勝った人にお手本ということでやってもらうこともあります。

 

⑥もう一度ディクテーション

 ここでもう一度ディクテーションをします。先ほどの文の中からランダムでいくつか出題します。時間がないときは1文だけでもいいと思います。ここで「書けない」という場合は、たいていの場合「音声と綴り」が一致していないことが原因のことが多いので、フォニクス的なことはここで改めて取り上げます。あくまでもここは「聞き取れる単語が増えたぞ!」という実感を大切にしたいです。

 

 ということで、こちらが「英語表現」における私の現段階のリスニング指導になります。ここまで授業で扱ったうえで、リスニング力を鍛えるための家庭学習の音読では、(ディクテーション)、Read & Look Up、コピーイングというメニューをすすめています。細かいところで書いていないこともありますが、おおまかな流れは以上のような感じです。お気づきの点、アドバイス等がございましたら、ツイッターにて賜れますと幸いです。

 

追記:ほんとはこの後に「グルグル」という活動(1対1の個別チェック指導)をしたいのですが、週に2コマの「英語表現」では時間が足らないことが多いので、そちらはテスト後にやることもあります。また、ECでは行うこともあるので、次回『リスニング基礎力をいかにつけるか④【「EC」の授業編】』で、その様子をお伝えします!