ラウンダバウト

英語を教えています。自分の授業改善のためだったり、好きなモノ、コトをつづっていきます

「意味順」と「四角化で視覚化」で短文英作文の指導①【前提となる指導】

  またかなり久々の投稿となりました。今回は表題の短文英作文、特に教科書レベルの日本文の英訳問題の指導です。といっても、とくに特別なことをしているわけではなく、諸先輩方のご指導を自分の授業に取り入れているだけなので、ご意見、ご指導いただけると幸いです。

前提指導①「意味順」

 まず前提となるのが田地野先生が提唱されている「意味順」を指導していることです。「意味順」って何?という方はこちらあたりが読みやすいかと思います。

誤解をおそれずに、ものすごくシンプルにまとめると、いわゆる「5文型」の指導でもいいけれど、「誰(何)が」「する(です)」「誰・何」「どこ」「いつ」という英語の文を構成する主要な意味のまとまりの並び順に当てはめて考える指導です。従来の5文型の指導でもいいのですが、O(目的語)やC(補語)の違いに混乱したり、場所や時を表す前置詞句の扱いや順番に悩むのは高校生でも多いです。高校生の時の私もアレルギー反応が出ました(笑)。英語学習の初期の段階で(不)完全自動詞やOO?OC?みたいなところで躓いて、英作文(口頭も含む)した文でコミュニケーションする楽しさを体験させてあげられないのは非常にもったいないと思います。「意味順」では「文法用語」は最低限ですみ、先に示したような7文型にも対応できます。また、短文英作文でありがちな「主語忘れ」も防ぐことができます。また、『犬と猫どっちが好き?』『私は犬』みたいなやりとりでI am a dog.みたいな文が出てくるのをかなり防いでくれます。他にも5文型と比べ利点が多いように感じ、〈[066] たなぶでまなぶ #PC013(Lindbergh) - by anfieldroad (substack.com)〉でも語っているのですが、EC、英語表現両方の授業に取り入れています。詳しくは上述のサイトのポッドキャストの該当部分をご視聴いただけるとイメージが湧きやすいかと思います。

 

【前提②「名詞句は四角化で視覚化」】

 こちらはanfieldroad先生が先ほどのポッドキャストやブログで、書籍では組田先生も同じような方法を提唱されております。ツイッターなどでは松井孝志先生が名詞句のカタマリを囲ませるという指導をされているという発信をされています。

お三方の指導には少し違いがあり、私は現在、松井先生の「名詞句は四角化で視覚化」という指導を追試しています。たとえば、I have a big dog.という文で名詞句全体だとa big dogをまるまる四角く囲む感じになりますが、「四角化で視覚化」ではこの文の冠詞と形容詞の部分は下線で、headnounであるdogを四角で一筆書きで囲います。詳しくは松井先生のブログやnoteをご覧ください。そして、これまたEC(の中で機会がなければ英語表現)の授業で、この「四角化で視覚化」をしていることも指導の前提となります。

 高校で英語に躓く理由は、名が体を表さぬ文法用語や先ほどの5文型などの影響もあると思いますが、後置修飾による名詞句のバリエーションがかなり増えることも大きな要因だと感じています。なので、その名詞句のストックを豊かにし習熟する方法の1つがこの「四角化で視覚化」だと思っています。そして、何より視覚化は「後置修飾」かそうでないかの判断が視覚的に簡単できることが強みの1つだと思っています。

 これらの前提を満たしていると、生徒が短文英作文をするときにすごく楽になります。また、この後の指導はものすごくシンプルです。今回はその①で《短文英作文の指導の前提編》ということでお送りしました。次回に続きます。