今回のタイトルですが、N〇Kの某番組や、この業界では有名らしいなんちゃら法則化運動とかではありません。発音指導の話です。発音指導が大事であることに異を唱える方は少ないと思うのですが(発音指導の是非についてはテーマからはずれるので書きません)、みなさんは日ごろの発音指導はどうされているでしょうか。私はまず、英語にあって日本語にない音に意識的になってほしいと思って指導しています。そういった音はいくつかありますが、今回はRの音を指導していて気づいたことをまとめてみようと思います。
①適当な指導は厳禁
まず、一番やっちゃいけないのはただ真似をしてみよう、リピートしてみようという類の言い方だと思います。耳のいい子や勘のいい子で何かに気づく子はいるかもしれませんが、超少数派ですよね。中学生の時はどうやってその音を出したらいいのかわかりませんでした。下手をすると日本語のら行と「同じ音」と感じる生徒もいますよね。
②丁寧に指導
僕はまずRの音を含む単語で、かつカタカナとしてもなじみのある単語(roomなど)を発音し、「なんか音が違うということがわかる」かを確認することから始めるようにしています。?な様子ならいくつか例を提示。なんか違うのがわかるという子が多くなったところで、口の形や舌の使い方を図で示すようにしています。そしてRの音を出させてみる。
ではいざ単語へ!いきたいところですが、ここで口の形を真似させた後にすぐ単語の練習にいってしまって失敗したのは、はい僕です。できない。想像以上にできなかった。単体としてRを発音させて、いきなり単語だとどういうわけか難しいようでした。そこで私の発音指導のバイブル『絶対発音力』の登場です。詳細は割愛しますが、ポイントとしてはRの音と日本語のあ行を足して練習する方法が提示されています。
1.「RRRRあ、RRRRい、RRRRう、RRRRえ、RRRRお」
↑のようにRの音を連続して出しながら(ここも日本のら行との違いですよね)、そこに日本語の母音をくっつけて練習します。できたら短く「Rあ、Rい、Rう、Rえ、Rお」。これを何回か繰り返します。
2.English 日本語エクササイズ
ここで単語練習にうつっても効果はあるのですが、ワンクッション。先ほどの本で紹介されているエクササイズをします。(基本)五七五調のフレーズで日本語のら行を全部R音に変えたものを、対比しながらよませます。
(例)日:あぶらもの とりすぎみるみる ふとりすぎ
英:あぶRあもの とRいすぎ みRうみRう ふとRいすぎ
実際に声に出してみるとわかりますが、相当おかしく聞こえます(笑) で、けっこう笑ってくれるんですよ高校生でも!そこにたたみかけるように、「今みんなが笑ったのはなんでかな?」と質問。あきらかに日本語の音でないことが実感できるので、みんな英語のRの音に敏感になったじゃないと、あとは発音できるようにすればいいねと洗脳教育的誘導(笑) そこからは友だちを笑わせてみようコーナーに。
3.単語を発音!
ここまでくればだいぶ言える子が増えてくるようです。あとはR音から単語につなげてリピートアフターミー。
③根気よく指導をつづける
前述の手順を踏むことで、かなりの生徒がその場では発音できるようになりました。しかし、やはり忘れてしまうんですよね。意識が少し薄れたりするとくずれる。日本語の発音の習慣にないんだから当たり前だよということを伝えたうえで、音読させて気になったら練習。また、リップ・ラウンディングを忘れる生徒がかなりいるので、この点もプロアクティヴに注意。もちろんニキビケアが大事と伝えるわけじゃありません。そして対面で直接指導できる機会を設定したいですね。
ざっとこんな感じでしょうか。まだ一年ちょっとくらいの経験しかありませんが、Rの音に関してはけっこう丁寧な指導が必要な気がしています。Rの音声指導には②の1の練習がかなり重要なのではというのが現段階の結論です。ここをはずすと入れるじゃかなり違う感じがします。余談ですが、②の2のエクササイズで
「おれの かのじょに なれよ」→「むり。それむり。ありえない。」
というのを
「おRえーの かのじょーに なRえーよ」→「むRい。そRえむRい。あRいえなーい。」
と練習させようとしたら生徒大爆笑。このフレーズも自作ではありませんが・・
しかし高校生にこのフレーズは響くようです(笑) 生徒の一人からは「個人的体験を授業に取り入れないでくださーい!」との声が(笑) 「よくわかったな!」と返しておきましたが、もっとうまい返しがありそうですね。