ラウンダバウト

英語を教えています。自分の授業改善のためだったり、好きなモノ、コトをつづっていきます

サイトラを意味順で

 音読活動でサイトラもといサイト・トランスレーションをされている方は多いと思います。私もその一人ですが、授業に意味順を導入し始めてから、教科書会社の付属のデータの/入り本文のデータを基にしたサイトラシートはどうも使いにくいと思っていました。なんでかな?と考えたところシンプルに「意味順」の区分けとでは、スラッシュの位置がずれることが使いにくさの正体だ!と思い至り、以下のように変えてみました。

Before(教科書データそのままのもの)

Astronauts from different countries                   異なる国から来た宇宙飛行士たちが

eat together every day.                                       毎日いっしょに食事をする

 

After

異なる国出身の宇宙飛行士たちが / 一緒に食事をする / 毎日 Astronaut from different cultures eat together every day.

                                                           

画面の都合上2段に分かれていたりしていますが、なるべく1行に1文収まるようにして紙の左側が日本語、右側に英語がくるようにしました

そしてここからは

①サイトラシートが配られたら、日本語に入っている/に対応するように英文に/を入れる

②ペアで確認

③教員の簡単な解説

④各種音読活動

という流れです。

 

そして音読活動の中に「意味順音読」があります。実質サイトラですがコース選択制です。

1.ボックスごとに英訳

2.ボックスの日本語を「意味順のまま」通しで言う ➡ その文を英語化

3.ボックスの日本語を自然な日本語に訳す ➡ その文を英語化

  (両者に負荷がかかる)

もちろん、教科書会社の提示する/でもよいのですが、意味順を定着させるには、これと合いの手音読がいいのかなと思っています。より長いチャンクで処理できるとよいのは承知ですが、意味順にすることで、自動詞他動詞の意識や、そもそものスラッシュの入れ方、英作文時の考え方や、頭から意味をとるなど高校の初期段階はこちらの方が益が多いのではと思ってこの形にしています。また、コース選択制にすることで、苦手な子も得意な子も自分のレベルに合わせて取り組めるのも魅力かなと思っています。

 

 

 

最近の授業

 久しぶりの投稿です。今回は現在1年生の授業をどう進めているかに焦点を絞って書いてみます。

1.ECとEE(S英Ⅰ)で共通していること

 授業の最初の10分間ほど帯活動として次のいずれかを行います。

 ①フォニクス

 ②1分間トーク

 ③単語説明(3ヒントクイズやWho am Iなど)

 ④文法問題の意味順翻訳活動

 の4つです。これらを1回ごとに回していくイメージです。①の意図は言わずも

 がな。②は単語帳に出てきた表現や、教科書の表現を実際に使ってみる機会の確保

 です。スピーキング練習でもあります。しかし、あくまでもメインは「互いを知る」

 ことに主眼を置いています。コロナを考慮して③などは書かせるときもあります。

 ここに慣れてきたら、③は今はbananaなど身近な単語から。徐々にPicture Discription

 などに切り替えていく予定です。最終的には日本文化の簡単な説明や、4コマ漫画の

 描写などまでしてみることを予定しています。④は文法のセクションで扱った例文や

 練習問題の「意味順」スロットごとの翻訳活動です。コース選択制になっていて、

 EEのところで詳細をお話しします。

 

2.ECⅠ

 基本的には昨年度のTANABUのモデルを引き続き。2回で1セクション進む感じです。前提として、文法事項はレッスン前に扱って理解し、帯活動④の繰り返しで定着を図っています。

【1回目】

⓪帯活動

①リスニングで聞こえてきた単語からストーリーを予想。ペアで確認。

②TANABUのワークシートで本文のパラグラフチャートを完成(未読に対応する力)

 *早く終わった人は別メニューあり

③ここまでで分かったことをもとにストーリーを日本語で100字要約。

④「この単語がわかれば!」となったところで単語導入&暗記練習

 *まずどう読むかを生徒に推測させてからです。帯活動のフォニクスとの

  連携や、ストレスが変わるとどうなるか、拍の意識なども含めて指導。

⑤本文に関するTFやQA

【2回目】

⓪帯活動

①宿題にしている「指定チャンク抜き出し」確認 ➡ チャンク取り込み

②「あれ、覚えるのきついかも・・」となったところで「サイト・トランスレーションシート」を用いての活動です。まずは、日本語が「意味順」スロットごとに/が入っているので、それに対応するように英文に/をいれてもらいます。ここで前置詞などをどちらに入れるかで、自動詞・他動詞も意識させようという目論見ですが如何に(笑)

③その後、スラッシュの位置をペアで確認。読み方がお互いにわからないものには下線を引かせます。教科書会社の/入り音源とは位置が違うので自ら解説。また、読み方の確認。

④各種音読活動。必ず「なぜその音読なのか&何を意識して読むか」を確認。段落ごとにメニューを切り替えたりします。

(⑤レッスンの最後には、そのレッスンのテーマに関する問いに自分の意見をOREOを用いてペア、グループでシェアします。)

 TANABUモデルでは「こってりコース(最終ゴールがリテリング)」が通常コースなのですが(TANABUの中では「リプロダクション」となっていますが、このモデルで紹介されているこれは「リテリング」ではないか?と感じています)、今はそこまで扱っていません。しかしレッスンによってはリプロダクション、リテリングに持っていくレッスンも取り入れる予定です。

 

3.EE(S英Ⅰ)について

 こちらが絶賛迷走中?の英語表現。帯活動は前述のとおり基本共通ですが、

 ⑤として、Functionというコーナーのサイトラ活動があります。なので、

 EEの帯活動は①か⑤のことがほとんどです。そして、ここの例文はたいてい

 一文なので、時間があれば前後にどんな文がくるかを考えさせます。

⓪帯活動

①教科書の左側の例文を「意味順」ボックスごとに訳してみる

②(知らない単語があっても予測できる・調べればわかる)ことを実感するので、

 では、これらの表現を英語にするトレーニングを!ということでコース選択制

 でペアでトレーニン

 1.意味順ボックスごと英語変換

 2.意味順ボックス通しで英語変換

 3.意味順ボックスの日本語を自然な役にしてから英語変換

③文法的な解説&本当に分かったかを右の練習問題で確認

 *右の練習問題も基本「意味順シート」に当てはめられていて、それに従って

  考えます。ここは宿題にすることが多いです。解説の時に、SVOCなど文型

  の話や、目的語・補語などの用語にも触れます。が、あくまで「意味順」ベース

(④各レッスンの扉のページのモデル・ダイアログは帯活動⑤が終わってから扱います。文法のターゲット、音声のターゲット、Functionのターゲットを空欄にして、

ディクテーションです。その後は多くの人が聞き取れなかったところを中心に、どうすれば聞き取れるか、CDと同じように言えるようにするトレーニングです)

④時間があれば、こちらも②と同じく意味順翻訳トレーニン

 

 さて、ざっと書いてみましたが、どんな印象を持たれるでしょうか?もっとこうした方がいいのでは?というご提案や、なんでこの活動なの?というようなご質問ございましたら、ご指導よろしくお願いします。ブログよりはTwitterにてメッセージをいただけると助かります(頻繁に確認するので笑)

ライティングも意識した読み

 前置きとして、現在私たちの学年は話題の?「TANABU方式」でECの授業を進めています。三か月くらいが経過し、そのよさと課題も徐々に実感してきました。現在迷っていることの一つに精読要素があります。この方式では、日本語訳も使ったスラッシュごとの音読練習をするステップもありますが、それだけでは浅い理解のまま通り過ぎてしまうこともあるなと感じている今日この頃。

 たとえばDr.Kantoをとりあげているレッスンのあるセクションの第1段落で"looking at the situation through Western or Japanese eyes could lead us to make wrong decisions."という文があります。このセクションは2段落構成になっていて、なかなかきれいに「抽象⇒具体」で書かれており、英文の構成を学ぶいい例だと思いましたが、ただの対訳練習だけでは、スルーされてしまいそう。なので、先述の文におけるWestern eyesとJapanese eyesが何を指すのか、wrong decisionsとは具体的にどんなことなのかを第二段落の記述から考えてもらいました。。EasternではなくJapaneseとなっているところや、西洋的な視点での判断と、日本的な視点で判断をヒントとして提示。けっこう納得してくれていた様子でした。ある程度まとまった量の英文ってこう書くんだよ!のいい具体例でした。ただ、指導書ではこのあたりの記述が見つけられなかったので、私の勘違いだったらご指摘ください。

「誰が」「する(です)」「誰・何・どんな」「どこ」「いつ」Yeah!

学校の緩やかな始まりから、通常営業にもどりつつある今日このごろ。いわゆるコミュ英Ⅱは、(ありがたいことに)興味のあったTANABU MODELというのを取り入れてやっています。初めてなので、やりながらですが、感じたことや思ったことは、どこかのタイミングで振り返れればと思っています。常に音声指導をベースに、と思っていましたが、色々な制約下のなか、完全に自分が思い描いているようにはいかないものですね。ただ英語のリズムをつかんでほしくて、教壇でハードルを跳ぶまねごとをしたり、カスタネット使ったり、ジャンプしたり踊ったり。嬉しいことに生徒も笑ってくれて、想像していたよりも大きい声で音読したりしてくれてます。

 英語表現の授業でも先日、田地野先生の「意味順」を導入。『「誰が」「する(です)」「誰・何・どんな」「どこ」「いつ」Yeah!』♪とかましてきました(笑)やはりこういうのは女子生徒の方がなぜか反応がいいですね(笑)ちなみに、私はこの最後の「Yeah!」が意外と重要だと思っています。というのも、「意味順」のスロットにはおまけがあって、「いつ」の後に「なぜ」のオプションがあります。これを導入する時は「イェー!」の部分を「Why」にするだけです!「なぜ」を日本語で言ってもいいのですが、英語で「Why」と言った方がなぜが響きが面白く、インパクトがあり頭に残ると思っています。ぜひお試しください(笑)『リズムが覚えられなかったんで、もう一回言ってくれませんか?』と生徒に廊下でお願いされたときはびっくりしました。もちろん、やりました(笑)

進路の手引き

表題のような冊子は多くの学校にあると思います。まだ2校目のため、他の学校でどんな扱いをされているかは分かりません。「分散登校期間なので、2回目はもしよければやりますよ!」と担任の先生にお話ししたところ、読み合わせを任せていただけたものの困った次第です。シンプルに読み合わせをしたり線を引いたりじゃ私自身学びや発見が少なくて面白くないなと思い、こんな感じでやってみました。という紹介です。

①各自、中学・高校生活で後悔していることはあるか?

 ペアワークですね。それを話して全体で何人かのをシェアしました。もちろん、話し合ってるときに、それ全体で紹介してもらってもいい?と段取りはしときます。

②では、あの時の自分にこうアドバイスしたい!って思う内容はありますか?

 9割以上の子の手が挙がりました。そうですよね、誰しもありますよね。実はこの冊子は先輩たちからのプレゼントです。「あの時ああしてりゃよかったな/これをしていてよかった」のメッセージです。そして、この時間のゴールはこの夏休みに(もしくはいまから)これをやっておいた方がよさそうという見通しを持ってもらうことです。

③入試の基礎知識や、奨学金について確認

 とはいっても、まずは敵を知らないと対策の立てようがありませんよね。何月に模試があるか知ってますか?とかやりとりしながら、今年度の進路関係のイベントや推薦入試を含めた入試情報を整理。

④ではいよいよ先輩たちの体験を読んでみましょう。

 今から先輩たちのものを読んでいきますが、正直この分量の体験記を1人で読んでいくのは、大変だと思いませんか(笑)?それより単語1つでも覚えた方がよくね?というような人のためにも効率的にいきましょう。ということで、これから割り振る番号のものを読んで、後でグループでシェアしてもらいます。

〇だいたいこんな話でした

〇自分が【共感した・なるほどと思った・これならできるかも等・・】ポイントは~です を入れようね。これで一気に4人分読んだことになりますね。

⑤同じような話が出てきたというグループは?

 それはかなり重要な情報ということだよね。ちなみに、年間の進路行事予定表の下に「こういうことをやっておくといい」という先生方からのアドバイスもあるんだけど、どんなことが書かれていると思います?〇ページにもう一度戻ってみよう!→実は先輩方の話とかぶってる!!

⑥さぁ、どう行動するかはみんな次第です!気になったら他の人のも読んでみるといいかもね!

現在の本文への橋渡し

久しぶりの更新です。新型コロナ状況でペアワークやグループワークが難しい中で、今はこんな感じで進めていますというものです。

 

本文を扱う初回の授業。「練習しながら慣れていこう」を合言葉に、中学レベルの表現を定着させる意図で、キーワード説明ゲームから初めています。もちろん、一定以上の距離を保って、もしくは対面にならないようにです。まずはいきなりトライさせて、そのうえでどういう風に言いたかったかをシェア。単語ぶつ切りになっちゃう子もけっこういたので、こちらで出だしを指定して、足場を確保。何人かからどんなヒントで分かったかを全体でシェアして、その後に「私ならこう説明するかな」を提示。その時に「あー!」とか「おー!」って聞こえてきたのが今日のハイライトでした。その後はそれらの語句を使ってオーラルイントロ。その後に1つQを提示して、本文を読んでみようというオーソドックスな流れです。

 

ちなみにキーワード説明のところは、数分で英作文させてでもいいかもしれませんね。それなら飛沫の心配もない!うん、やってみよう(笑)