ラウンダバウト

英語を教えています。自分の授業改善のためだったり、好きなモノ、コトをつづっていきます

意味が立ち上がるような音読とは?

 先日、部活を早々に切り上げ(もう一人の顧問に頼み)、VELCの第四回研究会に参加してきました。院生のころにトライアルで受けたことがあるテストだったのですが、けっこうユニークなテストだったので、色々気になっていたことがあったのですが、そのあたりは僕の簡単な脳みそは全部納得しちゃいました(笑)

 で、お目当てはパネル・ディスカッションで柳瀬陽介先生(広島大学教授)、久保野雅史先生(神奈川大学)、靜哲人先生(大東文化大学)による「気づきを促す英語の授業とは?」でした。院でお世話になった靜先生を知っている身としては、「どうなるんだこのディスカッションとはじまる前からハラハラドキドキ(笑)

 柳瀬先生がまずSLAでの「気づき」の定義に疑問を呈し、ルーマン、ダマシオを引用しつつ、最終的に「気づき」には3種類あるだろうということで、「からだ」での気づき、「からだ+こころ」での気づき、「からだ・あたま・こころ」での気づきがあるということをおっしゃっていました。それらのせめぎあいから「想い(image)」が出てくるというような理解でいいのかな?流れるようなトークでわかったようなわからないような(笑)まだ、頭の中で整理しきれていません。

 次に久保野先生は英文の句構造に「気づく」力をつくるための働きかけというテーマで、文構造を解説するのではなく、教師が範読をしたらどうかというご提案。たとえば次の文を音読したとき、どこでとまりますか?と。

① We are becoming aware of the special help that animals can be to the elderly, the sick and the physically-challenged.

こういった英文を解説したり、パラフレーズしなくても、教師が読めば「ハッ」とするのでは?と。モデルからの自立(土屋2000)ということで、それを生徒自身にも考えさせていくようにするということでした。たとえば次のような例文。

① In South Africa, white people  make up 10 percent of the population and black people 80 percent.

院生だったときも靜先生から「意味が立ち上がるような音読を」とご指導していただいていたにもかかわらず、ああそういうことかとようやくしっくりきました(出来の悪し生徒でごめんなさい)。どこで区切って、どこに強勢をおき、どんな抑揚をつけるか、英語教師には必須の能力ですね。

 最後に靜先生が「音声面に自分で気づけるようになるような指導を」とやはり予想通りの内容(笑) 家元の話は割愛させていただきます。

 そこからお互いに気になることをパネリスト間で質問。次に司会の望月先生が(柳瀬先生曰く、返答に困る)一般論的な質問を投げかけ、お三方からご意見をいただくという形でした。各々がご自由に発言されているといった印象で(笑)ディスカッション?という疑問もありましたが面白かったのでそこはスルー。個人的には「明示的な」「暗示的な」関わるやりとりが印象に残っていますね。過去の研究会の映像をYouTube上で見た覚えがあるので、もしかすると討論の様子がみられるかもしれません。ご興味のある方はぜひ。