ラウンダバウト

英語を教えています。自分の授業改善のためだったり、好きなモノ、コトをつづっていきます

学習英文法[用語]を見直したい

新学期を間近に控え、あわただしい毎日です。初の一人暮らしであわあわしていますが、実は今月の初めごろにSETC&ASTEK(http://d.hatena.ne.jp/anfieldroad/20140309)で、話題提供者として勉強の機会をいただきました。その時のタイトルがこの「学習英文法[用語]を見直したい」です。同じく話題提供者のI先生も、ブログで振り返り(http://blogkonju.hatenablog.com/entry/2014/03/14/SETC%26ASTEK3%E6%9C%88%E4%BE%8B%E4%BC%9A%E3%81%AB%E5%8F%82%E5%8A%A0%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82)をされていらっしゃるので、それぞれで補完的な内容になっていればいいなあと勝手に思っております。

今回の発表自体に対してとか、思うところももあるのですが、それはまた別の機会にして今回は私のテーマについて流れや感じたことなどをまとめようと思います。

 

まずは自己紹介(ここはもう少しコンパクトに流れよくやればよかった)、このテーマにしようと思ったきっかけをお話ししました。ある生徒の「授業の感想」に、『文法用語はもう少し詳しく説明してほしい』とのコメントがあり、ある子は『変な言葉(文法用語のことらしい)を使わないのでよかった』と書いてくれていました。そこから、「文法用語ってどこまで必要なのか」「そういえば、僕も高校に入ったときは文法用語に悩まされた」「中学校で教えられている用語と高校の先生が教わっていると思ってる用語って差があるんじゃね?」というような疑問がわきました。

 

次に今回の目的をお話ししました。メインの目的としては「中学校で教えられている用語と高校の先生が教わっていると思ってる用語って差があるんじゃね?」を実際に調査したいというのと、その結果をふまえて、高校の先生はどんなことに注意したらいいのかなというのを探ることです。

 

その後、そもそも文法用語を教えることの利点・欠点を挙げるのに先生方に協力していただき、みんなでそれらを再確認。これらを意識したうえで、事前に用意した文法用語リストに、中学校の先生には「普段授業で用語として実際に使っている」ものに、高校の先生には「生徒が中学で教わってきていると思っている用語」にチェックをいれていただきました(ここでも肝心のキューがぬけて大失態)。そして同じ校種間でシェア→異なる校種間でシェア→全体でシェアという流れです。先生方の話し合いを聴いて回ってると、同じ校種間でもけっこう違ったりして、それぞれのこだわりが見えてきました。そして、異なる校種でつきあわせてみると、少なからず「普段授業で用語として実際に使っている」<「高校の先生が、生徒が中学で教わってきていると思っている用語」という感じの結果に。それでも、中学校の先生方は極力文法用語は使われていないイメージだったので、実際に授業で使ってらっしゃる「用語」は僕の予想以上に多かったです。

 

この後は先行研究を紹介しつつ、今回の結果と比較しながら、意見をまとめていくという感じにしたかったのですが、僕の見通し&段取りが悪く思うようにいかず最後まで進めることができなかったので、自分の知りたいことをやってしまっただけで先生方の時間を無駄にしていなかったかと今更反省。

 

僕の感じたところをメモしておくと、

①やはり文法用語の使用は必要最小限にしたい。ただ、どの程度が「必要最小限」なのかはよく考える必要がある。学習者によっても違うだろう。

②そうはいっても、生徒が後から参考書などを活用する際には、ある程度の文法用語が必要で、授業でほとんど触れないというのは現実的ではない。その役割を全て塾に任せてしまうのはなんか悔しいし違う気がする。ただ、文法用語を覚えてわかった気にならないように、「文法用語」でなく「文法」が身に付くように指導していかなくてはということに注意。

③最初は中、高それぞれ「これだけは指導しておきたい用語」みたいのを絞ることを組み込んでいたが、先生方の話を聴いて回っている中で、別にどの用語を使うも使わないも先生の自由かと思うように。結局英語できるようになってくれれば、アプローチは多様なわけだし。

 

といった感じでしょうか。

 

実は上の②に関して、ちょっと面白いエピソードをある先生が紹介してくださいまして、「文法用語」を覚えることでセルフ・エスティームを維持しているのではと見受けられる子もいるとのお話が。このエピソードの詳述は控えますが、そういった場合があることを考えても、やはりある程度は「文法用語」に触れる必要はあるのかなーと現段階では思います。また、その生徒のプロフィシェンシーによって、用語の持つ意味というか重要性とかは変わってくるでしょうし、そこらへんも考えてみる必要がありそうですね。

 

参考までに当日の資料をアップしようと思ったのですが、その方法をネットでうまく探せないので、もう少々お待ちください。ご存知の方がいらっしゃいましたら、ご連いただけると幸いです(笑)