ラウンダバウト

英語を教えています。自分の授業改善のためだったり、好きなモノ、コトをつづっていきます

「意味順」と「四角化で視覚化」で短文英作文の指導①【前提となる指導】

  またかなり久々の投稿となりました。今回は表題の短文英作文、特に教科書レベルの日本文の英訳問題の指導です。といっても、とくに特別なことをしているわけではなく、諸先輩方のご指導を自分の授業に取り入れているだけなので、ご意見、ご指導いただけると幸いです。

前提指導①「意味順」

 まず前提となるのが田地野先生が提唱されている「意味順」を指導していることです。「意味順」って何?という方はこちらあたりが読みやすいかと思います。

誤解をおそれずに、ものすごくシンプルにまとめると、いわゆる「5文型」の指導でもいいけれど、「誰(何)が」「する(です)」「誰・何」「どこ」「いつ」という英語の文を構成する主要な意味のまとまりの並び順に当てはめて考える指導です。従来の5文型の指導でもいいのですが、O(目的語)やC(補語)の違いに混乱したり、場所や時を表す前置詞句の扱いや順番に悩むのは高校生でも多いです。高校生の時の私もアレルギー反応が出ました(笑)。英語学習の初期の段階で(不)完全自動詞やOO?OC?みたいなところで躓いて、英作文(口頭も含む)した文でコミュニケーションする楽しさを体験させてあげられないのは非常にもったいないと思います。「意味順」では「文法用語」は最低限ですみ、先に示したような7文型にも対応できます。また、短文英作文でありがちな「主語忘れ」も防ぐことができます。また、『犬と猫どっちが好き?』『私は犬』みたいなやりとりでI am a dog.みたいな文が出てくるのをかなり防いでくれます。他にも5文型と比べ利点が多いように感じ、〈[066] たなぶでまなぶ #PC013(Lindbergh) - by anfieldroad (substack.com)〉でも語っているのですが、EC、英語表現両方の授業に取り入れています。詳しくは上述のサイトのポッドキャストの該当部分をご視聴いただけるとイメージが湧きやすいかと思います。

 

【前提②「名詞句は四角化で視覚化」】

 こちらはanfieldroad先生が先ほどのポッドキャストやブログで、書籍では組田先生も同じような方法を提唱されております。ツイッターなどでは松井孝志先生が名詞句のカタマリを囲ませるという指導をされているという発信をされています。

お三方の指導には少し違いがあり、私は現在、松井先生の「名詞句は四角化で視覚化」という指導を追試しています。たとえば、I have a big dog.という文で名詞句全体だとa big dogをまるまる四角く囲む感じになりますが、「四角化で視覚化」ではこの文の冠詞と形容詞の部分は下線で、headnounであるdogを四角で一筆書きで囲います。詳しくは松井先生のブログやnoteをご覧ください。そして、これまたEC(の中で機会がなければ英語表現)の授業で、この「四角化で視覚化」をしていることも指導の前提となります。

 高校で英語に躓く理由は、名が体を表さぬ文法用語や先ほどの5文型などの影響もあると思いますが、後置修飾による名詞句のバリエーションがかなり増えることも大きな要因だと感じています。なので、その名詞句のストックを豊かにし習熟する方法の1つがこの「四角化で視覚化」だと思っています。そして、何より視覚化は「後置修飾」かそうでないかの判断が視覚的に簡単できることが強みの1つだと思っています。

 これらの前提を満たしていると、生徒が短文英作文をするときにすごく楽になります。また、この後の指導はものすごくシンプルです。今回はその①で《短文英作文の指導の前提編》ということでお送りしました。次回に続きます。

 

初回の授業で話すこと

 またまた久々の更新です。2年前と現在追実践している「TANABUモデル」についてあれこれ書こうと思っていたのですが、そちらは現在別の媒体で発表される予定があるので、4月の初回の授業で生徒に語ることを覚書きとして残しておこうと思います。 

*以下で書くペア・グループ活動はコロナが心配される場合、ホワイトボードや、ミスプリントなどの裏紙で筆談させて実施することを念頭に置いています。

■自己紹介

 時間があれば、山本崇雄先生がご著書で紹介されている方法で行います。詳しくは、下の本をご参照ください。明確に狙いのある「自己紹介⇒生徒同士の紹介」なので、のちのちこの書籍で書かれていることを実践していかないとあまり意味がないと思います。ただ私が好んでやるのは教員の個人情報?(年齢や好き/嫌いな食べ物/血液型/星座など)をペア⇒班で予想してもらい、班対抗に。「予想でいいよ!」と言うと色々と勝手に予想してくれます。それぞれの班に英語で正解を確認しつつ自己紹介。1番正解数の多かった班には「Lindbergh検定3級」を進呈します(笑)

■持ち物や約束事の確認

 授業の約束事を確認します。年度末の生徒からの感想で特徴的なのはやはり「イエローカード」でしょうか。授業開始のチャイム時に正当な理由なく座っていない、授業中のマナー違反などに対して教員が出します。1枚につき授業時間1分延長です(笑) こちらはたしか中学校でご指導されている大塚先生か畑中先生の実践だったかと思います。

■なぜそのルールがあるかを確認

 「いい授業」の条件を生徒に考えてもらいます。すると「分かりやすい」「楽しい」「眠くならない」「先生が面白い」といった回答があがります。そこで、確かにそういったことも大切ですが、自分の授業ではペア・グループで活動してもらうことが多いことを話したうえで、なぜそうするかをまた考えてもらいます。定時制ではここがある意味勝負どころだと思っています。そして、ペア、グループで「見えない共通点探し」を通して、よりよいコミュニケーションとは何かを考えてもらいます。ここでは「構成的グループエンカウンター」などを意識してペア・グループを変えて数回行います。また、授業は教員だけが提供するのではなく、一緒に作っていくものだということを伝えます。これに関しては学期末のアンケートなどを通して、よりお互いにとって「受けてよかった」と思える授業にしたいからです。

■授業体験

 「授業」って何ですかね?と僕が生徒たちに投げかけます(笑) ここで多くの生徒が?という表情が多くみられる場合は『じゃあ、1コマ終わったときに何がどうなってたら「よい授業」だと思う?』とききかたを変えます。意外とここで意見が出てこないこともあるので、生徒が考えやすい部活で考えてもらうことも。詳細は省きますが、「分からなかったことが分かるようになる」「分かったと思っていた問題を間違える」「できなかったことができるようになる」「英文を授業中に覚えてしまう」「クラスメイトのことを知ることができ、新しい自分を発見する」そんな授業がいい授業だと思っています。というメッセージ。そんな授業にするためのルールであり、じゃあちょっとやってみようかと授業ですることを一足先に体験してもらいます。具体的には、1年生の場合は中学校の教科書の長めの文章を。2年生以降なら昨年度の教科書から長めの難しい文章を使って3つの音読活動をします。ただし持ってくる英文はアメリカ英語でr, l, f, v, th のいずれかが入っていて、リンキングや脱落、water のようなアメリカ英語に特有の現象もあるものをチョイスするのが私のこだわりです。

◎「リピートアフターミー」(必ず最初にやります)

 だいたいの生徒がリンキングや脱落、アメリカ英語、イントネーションに無自覚のことが多いです。そこでまた「リピートアフターミー」って何でやるの?と問います。「発音・読み方の確認」はすぐに出てきますが、「いや、みんな出来てないよ!私はそう読んでません」と衝撃の!?(想定通りの)事実を伝えます。時間があるときは、生徒にGoogle翻訳を音声入力で「英→日」にして、その英文を言ってもらうと面白いくらい認識されず、変な日本語訳がでてきて実際に「通じないのではないか」という体験をしてもらいます。「漫然と聞き、発音するのでは私の話あんまり聞いてないみたいで悲しいし、何よりリスニングの力が今以上にあがることは絶対ないです」と宣言します。ここから家元仕込みの発音クリニック(詳しくは下記の本などを参照)。生徒たちと笑いながら発音練習。楽しい時間です!

◎「Listen & Say」

 1文を音声的にほぼ正確に言えるようになったところで、チャンクごとの(私の場合は「意味順」によるチャンク)文の再生音読をします。ペアになり、一方がチャンクを言ったら、パートナーはそれを何も見ずに繰り返します。徐々にチャンクを長くし、1文言いきれたら成功とします。素材を長い文にしたことはここで活きます。生徒は、覚えるのに苦労します。そして私は巡回して、「いや、その発音違うよ(ニッコリ)!」とダメだし+アドバイス。また「1回でできるようになることを目指しているわけではない」ことも伝えます。けっこう重要なポイントです。なので、できるようになるまでやってみます。

◎「英⇒【日→英】」

 そして、先ほどの練習でどうしても達成できなかった人は、覚え方が合ってなかったかもしれないからと今度はこちらの方法を提示。ただ、この練習をする前に、先ほどのペアの片方に、英文の意味を言ってもらいます。すると答えられない人が割といます。「それも英語力あがらないよ!」と檄を。なので、先ほど「英文は言えた(ことになっている)」人にも有益な練習であることを伝えます。そしてペアの片方に英文を読んでもらい、パートナーはそれを日本語にしてから英語にします。この時もチャンク単位です。この際も音声面のフィードバックは忘れずに。そして時間に余裕があれば、その文を紙に再生してもらいます。で、またこれが綴りミスが多い多い(笑) これからの授業ではどうすれば書けるようになるかも体験してもらうことを伝えます。

■メッセージ

 生徒に音読の活動の感想を聞きます。数人にきくと「疲れる(た)」という感想が出てくるので、そうだよね、でも「それだけ頑張ってくれて嬉しい」というのことを伝えています。いや、本当にうれしいですからね。そして部活にたとえて『さっきやったことは私の中では部活でいうと毎回やる基礎練習にあたります。はちゃめちゃな練習方法じゃ効率が悪すぎるし、方法でも自分にあってなかったり、無理のある覚え方だと辛くなります。なので英語の力をつけることができる色々な方法を授業を通して体験してもらう予定です。今年はその中で自分に合うもの、サイクルを見つけてほしいです。中には先ほどのように疲れるものもあると思います。でも「できることしかやらない授業(練習)」と「ちょっと頑張ればできそうなことにチャレンジし続ける授業(練習)」どっちが1年間終わって力がつきそうですか?1年間一緒に成長していきましょう。』と伝えて終了です。

クラスで神経衰弱!「何の達人?」

 久しぶりの更新となります。今回はHR活動編です。表題からすると「なんだトランプで神経衰弱ね」となりそうですが、もちろんただの神経衰弱ではありません!

クラスの子たちに作ってもらった学級目標をより意識してもらうための、そしてお互いのいい面をみてもらうための活動です。そして、ここには書きませんが、別の意図もあり、副担任の先生がアイディアを出してくださり、二人で一緒に考えました。

【準備】

①名刺カード(だいたいの学校にありますよね?)

②ペンのセットを班に1つ(油性でも裏写りせずに大丈夫でした)

の2点です。②はもちろん生徒が各自持っているものでもOKです。

【実際の活動】

⓪「テスト前の息抜きorテストのために記憶力アップのトレーニング」として生徒に趣旨を話します。今思えばここで学級目標を確認してもよかったかもしれません。

①生徒に隣の席の子が「何の達人」かを書いてもらう。

②プロジェクターか黒板に「達人の例」のリストを投影する

 (なければ手元に印刷した用紙を配ってもいいと思います)

③のちに書いてもらったカードを使って4~6人グループで神経衰弱をするので、書けたらペアの子にその内容でいいか確認する。そう思う理由を伝えるように指示します。

④合意出来たらグループで発表。さきほどの理由もシェア。

⑤神経衰弱のルール説明 *書いてあることを読み上げる

⑥神経衰弱開始!(枚数が少ないので、いきなり総どりになることもあります(笑))

⑦「早く終わったグループはもう一回どうぞ」とアナウンス。すべての班が2回はやったかなというところで、班のカードを預かり、他の班のカードとシャッフル!

違うグループのカードで神経衰弱開始!

⑨キリのいいところで「終わりにしてください」コール。

 最後に5つある「学級目標」のどれを意識した活動だったか班で考えてもらい、

 班の代表の生徒に発表してもらいます。この時に「正解はない」ことも伝えます。

⑩担任・副担からコメント

【活動の注意点】

*カードに書いてあることを読み上げるのがポイントです。

*また、授業中やLHRで「お互いの考えなどを知る活動」をある程度こなしている

 とよりよいと思われます。もしくは、お互いのことが分かってくる2学期以降が

 オススメの実施時期だと思います。

その日に副担の先生と相談して1時間くらいで考えて準備し実施した活動です。どうなるか二人でドキドキしていましたが、本当に盛り上がりました。ですが、最後の話し合いでクラスの課題も浮き彫りに。ですが、それを乗り越えるのと、そのままのクラス。どちらが皆さんの目指すクラスですか?と投げかけて終了です。

追記:全日制では副担任の先生はあまり教室に入ることが少ないイメージですが、私は基本手になるべく多くの方に関わっていただきたいので、できる範囲でLHRなどに来ていただければというお話をしていました。ありがたいことにかなり足を運んでくださる方で、私より生徒に慕われてます(笑)本当に有難いことです。いずれにせよ、少なくとも2人でみんなを見てるよ!ということが伝わるといいなと思います。

 

リピート・アフター・ミー

 Repeat after me.って英語の授業では先生方はどんな風に扱われているのでしょうか?私が最近意識しているのは、音声や意味、形式により意識してもらえるように、Repeat after me.のやり方を変えてみました。すると生徒の反応がこれまでとけっこう変わった気がしたので投稿してみます。

 まずは授業の帯活動でフォニクスを取り上げているので、本文の音読活動に入る前に、生徒に本文の読み方を予想させます。この時に、生徒は読めない・読み方に自信のない単語にシャープペンで下線を引きます。その後すぐに、ペアで確認。それからCDを流します。生徒は読み方が気になっているはずなので(そうであってくれ!)、普通に「CDで発音を確認してみよう」よりはましかな、と思ってこの形にしています。この時に、なぜそういう読み方になるか解説する単語もあります(2語以上の音声変化はこの後)。

しかし実際はここで生徒は読み方が分かった気になっているだけな気がしていました。ここからが私が行っているRepeat after me.の様子です。

 

私:「ほんとに分かったか確認していきますね。ではRepeat after me!

  At the age of twenty,」

生徒:「Aト ザ age オブ twenティー」 

私:「(ニッコリと)はい、残念!そういう風には読んでませんね。もう一度。

   At the age of twenty,」

生徒「At the age オブ twenティー」 

私:「おしい! At the ageまではよくなった!ofって強く読むんだっけ?」

生徒:「読まないです。」

私:「なぜ?」

生徒:「あんまり意味のない単語なので」

私:「じゃあどう読まれるんだっけ?ペアで確認して思い出して!-はい言ってみましょう!」

生徒:「At the age of twenティー

私:「いいねー!合格です!ただ、twentyのtの音はどういう風になることがある?」

生徒:「あ、消えます!」

私:「そうでしたね。なんでだっけ?」

       ~中略~ 

  「ではそっちの読み方でも言ってみましょう。せーの!」

生徒:「At the age of tweニ」

私:「上手い!ところで〇〇くん、意味は?」

生徒:「え?えーと・・・」

私:「あれ、意味を考えてなかったの?はいじゃあ、確認しましょう。」

    ~中略~

  「さて、主人公が20歳の時を頭に思い浮かべながらどーぞ!」

生徒:「At the age of tweニ」

私:「そうそう!そういう風に私は読みました!では次いってみよう!」

 

高校1年生のECはこんな感じでしつこくやっています。この他にも

「そんなスピードじゃなかったよ?」

「どこの単語が強く長くはっきりと読まれてた?(そういう単語はいくつあったでしょうか?ペアで推理タイム!)」

などもあります。慣れてくると「最初から音声の変化があるところは意識してね」だけで、1度目からだいぶいい音が聞こえてくるようになったクラスもあります。が、まだまだ僕の求める基準に引き上げられていないので引き続き頑張ります(^▽^;)

 *ちなみに、上述の指導はその音の指導は事前にやったことがある前提です。そうでない場合、つまり初めて取り上げる音声変化の場合はプロアクティブに指導してから、上述のような流れでやっています。また時間の関係上すべての文はとりあげず、音声変化があるもの、重要な文や、かなりneverのような強調して読まれる語がある文などに絞って練習しています。

見えない共通点

  今回はホームルームでも英語の授業でもできる活動のご紹介です。紹介といっても、すでに多くの先生がやられている活動だと思いますので、ご容赦を。

 私はホームルームで席替えをした後に、タイトルの「見えない共通点」というPA(プロジェクト・アドベンチャー)の活動をよくします。「共通点」というのが、これまで知らなかった人通しをつなげるきっかけになると思うからです。休み時間に「さっき好きっていってった〇〇だけどさー、昨日の〇〇見た?」「うそ!そんなんあったの見てねー!!どんなんだった?」なんて自然な会話が発生したりしますし、まったく性格の違う二人の共通点が見えたりして面白いです。

ちなみにパターンもがあって、

①人数変更

 ペア ⇒ グループ(4~5人くらいまでがやりやすい感触です)

②時間か個数変更

 「2分間でなるべくたくさん見つけよう」や「5つ見つかったペア(グループ)から座れます」

などでやっています。

 そしてコロナで厳しい状況ですが、細心の注意をはらって英語の授業で席替えをすることもあります。他の組と合同の授業もあるので、ほんとに「初めて話す人」が何人もいたりします。私は「縁」って大切だと思っていて、どこで一生の友が見つかるかは分かりませんが、少なくとも「誰とでも(馬が合わない人や苦手な人とも)会話や作業が一緒にできる」状態になって高校を卒業してほしいと思っています。私の授業ではそのために席替えをするよ!という話をします。そして上述の活動を英語でやります。

 何も難しいことはなく、Are you ~?やDo you ~? Did you ~? Can you ~?という中学校の「質問する文」を作って共通点を探していきます。ちなみにNoの共通点はノーカウントです(笑)

 授業の中では日⇒英のトレーニング的な活動もしますし、中学校の表現の復習として日⇒英の瞬間英作みたいな活動って割とメジャーだと思うのですが、英語を使ってコミュニケーションしながら、お互いのことを知っていき、よさに気付いていく。そんな体験をしてもらえたらなと思って、パートナーチェンジするとだいたい初めはこの活動です。そのうち「お悩み相談」なんかも英語でできるようにしたいなと思っています。

サイトラを意味順で

 音読活動でサイトラもといサイト・トランスレーションをされている方は多いと思います。私もその一人ですが、授業に意味順を導入し始めてから、教科書会社の付属のデータの/入り本文のデータを基にしたサイトラシートはどうも使いにくいと思っていました。なんでかな?と考えたところシンプルに「意味順」の区分けとでは、スラッシュの位置がずれることが使いにくさの正体だ!と思い至り、以下のように変えてみました。

Before(教科書データそのままのもの)

Astronauts from different countries                   異なる国から来た宇宙飛行士たちが

eat together every day.                                       毎日いっしょに食事をする

 

After

異なる国出身の宇宙飛行士たちが / 一緒に食事をする / 毎日 Astronaut from different cultures eat together every day.

                                                           

画面の都合上2段に分かれていたりしていますが、なるべく1行に1文収まるようにして紙の左側が日本語、右側に英語がくるようにしました

そしてここからは

①サイトラシートが配られたら、日本語に入っている/に対応するように英文に/を入れる

②ペアで確認

③教員の簡単な解説

④各種音読活動

という流れです。

 

そして音読活動の中に「意味順音読」があります。実質サイトラですがコース選択制です。

1.ボックスごとに英訳

2.ボックスの日本語を「意味順のまま」通しで言う ➡ その文を英語化

3.ボックスの日本語を自然な日本語に訳す ➡ その文を英語化

  (両者に負荷がかかる)

もちろん、教科書会社の提示する/でもよいのですが、意味順を定着させるには、これと合いの手音読がいいのかなと思っています。より長いチャンクで処理できるとよいのは承知ですが、意味順にすることで、自動詞他動詞の意識や、そもそものスラッシュの入れ方、英作文時の考え方や、頭から意味をとるなど高校の初期段階はこちらの方が益が多いのではと思ってこの形にしています。また、コース選択制にすることで、苦手な子も得意な子も自分のレベルに合わせて取り組めるのも魅力かなと思っています。

 

 

 

最近の授業

 久しぶりの投稿です。今回は現在1年生の授業をどう進めているかに焦点を絞って書いてみます。

1.ECとEE(S英Ⅰ)で共通していること

 授業の最初の10分間ほど帯活動として次のいずれかを行います。

 ①フォニクス

 ②1分間トーク

 ③単語説明(3ヒントクイズやWho am Iなど)

 ④文法問題の意味順翻訳活動

 の4つです。これらを1回ごとに回していくイメージです。①の意図は言わずも

 がな。②は単語帳に出てきた表現や、教科書の表現を実際に使ってみる機会の確保

 です。スピーキング練習でもあります。しかし、あくまでもメインは「互いを知る」

 ことに主眼を置いています。コロナを考慮して③などは書かせるときもあります。

 ここに慣れてきたら、③は今はbananaなど身近な単語から。徐々にPicture Discription

 などに切り替えていく予定です。最終的には日本文化の簡単な説明や、4コマ漫画の

 描写などまでしてみることを予定しています。④は文法のセクションで扱った例文や

 練習問題の「意味順」スロットごとの翻訳活動です。コース選択制になっていて、

 EEのところで詳細をお話しします。

 

2.ECⅠ

 基本的には昨年度のTANABUのモデルを引き続き。2回で1セクション進む感じです。前提として、文法事項はレッスン前に扱って理解し、帯活動④の繰り返しで定着を図っています。

【1回目】

⓪帯活動

①リスニングで聞こえてきた単語からストーリーを予想。ペアで確認。

②TANABUのワークシートで本文のパラグラフチャートを完成(未読に対応する力)

 *早く終わった人は別メニューあり

③ここまでで分かったことをもとにストーリーを日本語で100字要約。

④「この単語がわかれば!」となったところで単語導入&暗記練習

 *まずどう読むかを生徒に推測させてからです。帯活動のフォニクスとの

  連携や、ストレスが変わるとどうなるか、拍の意識なども含めて指導。

⑤本文に関するTFやQA

【2回目】

⓪帯活動

①宿題にしている「指定チャンク抜き出し」確認 ➡ チャンク取り込み

②「あれ、覚えるのきついかも・・」となったところで「サイト・トランスレーションシート」を用いての活動です。まずは、日本語が「意味順」スロットごとに/が入っているので、それに対応するように英文に/をいれてもらいます。ここで前置詞などをどちらに入れるかで、自動詞・他動詞も意識させようという目論見ですが如何に(笑)

③その後、スラッシュの位置をペアで確認。読み方がお互いにわからないものには下線を引かせます。教科書会社の/入り音源とは位置が違うので自ら解説。また、読み方の確認。

④各種音読活動。必ず「なぜその音読なのか&何を意識して読むか」を確認。段落ごとにメニューを切り替えたりします。

(⑤レッスンの最後には、そのレッスンのテーマに関する問いに自分の意見をOREOを用いてペア、グループでシェアします。)

 TANABUモデルでは「こってりコース(最終ゴールがリテリング)」が通常コースなのですが(TANABUの中では「リプロダクション」となっていますが、このモデルで紹介されているこれは「リテリング」ではないか?と感じています)、今はそこまで扱っていません。しかしレッスンによってはリプロダクション、リテリングに持っていくレッスンも取り入れる予定です。

 

3.EE(S英Ⅰ)について

 こちらが絶賛迷走中?の英語表現。帯活動は前述のとおり基本共通ですが、

 ⑤として、Functionというコーナーのサイトラ活動があります。なので、

 EEの帯活動は①か⑤のことがほとんどです。そして、ここの例文はたいてい

 一文なので、時間があれば前後にどんな文がくるかを考えさせます。

⓪帯活動

①教科書の左側の例文を「意味順」ボックスごとに訳してみる

②(知らない単語があっても予測できる・調べればわかる)ことを実感するので、

 では、これらの表現を英語にするトレーニングを!ということでコース選択制

 でペアでトレーニン

 1.意味順ボックスごと英語変換

 2.意味順ボックス通しで英語変換

 3.意味順ボックスの日本語を自然な役にしてから英語変換

③文法的な解説&本当に分かったかを右の練習問題で確認

 *右の練習問題も基本「意味順シート」に当てはめられていて、それに従って

  考えます。ここは宿題にすることが多いです。解説の時に、SVOCなど文型

  の話や、目的語・補語などの用語にも触れます。が、あくまで「意味順」ベース

(④各レッスンの扉のページのモデル・ダイアログは帯活動⑤が終わってから扱います。文法のターゲット、音声のターゲット、Functionのターゲットを空欄にして、

ディクテーションです。その後は多くの人が聞き取れなかったところを中心に、どうすれば聞き取れるか、CDと同じように言えるようにするトレーニングです)

④時間があれば、こちらも②と同じく意味順翻訳トレーニン

 

 さて、ざっと書いてみましたが、どんな印象を持たれるでしょうか?もっとこうした方がいいのでは?というご提案や、なんでこの活動なの?というようなご質問ございましたら、ご指導よろしくお願いします。ブログよりはTwitterにてメッセージをいただけると助かります(頻繁に確認するので笑)